noirのブログ

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理工系と文系

 先日、文部科学省が、国立大学に対し、理工系を重視し、文系を削減すべし、というようなお達しを出したとニュースになっていた。
 昔、産学共同ということを工学部などが提唱すれば、「産業界の走狗になるな」などと軽蔑や批判の的になったものだ。
今や、即戦力、即社会の役に立つことが大事だとされ、腹ふくれぬ文系の学問は「役に立たぬ学問」とされてきている。
でも、本当だろうか?
 確かに、理工系は文明発展の役に立ち、国を富ますために重要だろう。
しかし、だからと言って、文系をないがしろにすべき、というのは、お門違いだ。
腹ふくるワザと同時に、心を豊かにする学問や人生を突き詰める学問が、特に、近代国家においては重要だ。
 ノーベル賞受賞者の小柴氏が言っていた。「私の発見などは、私がやらなくとも、いつか誰かが発見しただろう。しかし、ベートーベンがいなかったら、決して第九は生まれていなかった。科学者なんて、その程度のものさ」と。
 文科省の役人ども、耳の穴をかっぽじいて、良く聞いておけよ。
以前、理工系が文系にやられっぱなしで、理工系が弱体化したからといって、その反攻のために、文系を縮小しようなどと浅知恵をめぐらすのは、滑稽千万だ。

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